大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)218 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人竹島栄一の上告理由第一点について。

所論は、採証則法違反をいうけれども、原判決の証拠の取捨判断および事実認定

を非難するに帰し、採用することができない。

同第二点について。

原判決の判示するところから上告人の答弁の経過をみるに、所論使用貸借が成立

した事実を当事者間に争ないと判示した原判決は正当であり、所論は採用に値しな

い。

同第三点について。

所論は原判決が憲法二五条ならびに親族の扶養義務に関する民法八七七条に違反

すると主張する。

しかし、憲法二五条一項は、自由な意思に基いて締結した契約により家屋明渡の

債務を負担する者に対し、裁判所がその契約の履行として家屋明渡を命ずることを

禁ずるものでないことは、当裁判所の判例とするところである(昭和二三年(オ)

第七六号、同二五年四月一二日大法廷判決、民事判例集四巻四号一三九頁参照)。

したがつて、原判決が使用貸借の終了ならびに所有権に基く本件建物明渡等の請求

を認容しても、憲法二五条一項に違反しないこと右判例の趣旨に徴し明らかであり、

民法の規定に関する所論は独自の見解にすぎないから、所論はすべて採用すること

ができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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